老人力

 かつて流行語となった「老人力」だが、最近はあまり聞かれなくなった。NHKの「知るを楽しむ」に赤瀬川氏が出ているのをたまたま見たのをきっかけに、『老人力』を読んでみたくなり、文庫本を買って通勤電車の中で読んでいた。
 老人(を含む古いモノ)の味わい深さを冗談めかして肯定するこの言葉は、今でもなかなか意義深い。電機大のようなツルツルピカピカの総本山のようなところでも(来年は「未来科学部」ができるのだ)、その校舎は実に老人力にあふれている。皮肉を言っているのではない。最先端の科学技術の現場にある老人力こそ、実に味わい深いのだ。校舎建て替えの話が最近聞かれなくなったが、ひそかに喜んでいる。

【天気】雨。宇井純さんが亡くなった。翌日の朝刊で知る。東大工学部での自主講座に参加した頃を思い出す。
 Kさんのコメントを見つけた。(12/11追記)