工学の歴史と技術の倫理

 注文していた本、村上陽一郎著『工学の歴史と技術の倫理』(岩波書店、2006年)が届いた。これは、来年度から始まる新カリキュラムの新科目「技術の社会史」で教科書に使おうかと思っていた本だ。著者は私の学生時代の先生なので、発想も近いし(もちろん先生の影響)、これを使うと教えやすいのではないかと思う。手頃な教科書がないなと困っていたのでとても助かった。
 「技術の社会史」と対になる科目として「科学の社会史」があるが、こちらはとりあえずこれまで通り、古川安著『科学の社会史』(南窓社、2001年)を使おうと思う。こちらの著者も学生時代の先生。先生にはいつまでもお世話になるものだ。
 ついでに思うのだが、私の専門分野(科学技術史)では、大学の教科書として使えそうな概説書・入門書を書ける人が最近少なくなったような気がする。今年70歳になられる村上先生の弟子筋は現在相当な数になっているはずだが、どうしたことか(私も含めて)。科学技術史から離れてしまった人が多いからだろうか。

【天気】晴れ。気持ちよく晴れている。『老人力』読了。